先回からだいぶ時間がたってしまいましたが…

Safariに関する6つの質問 - 血統の森+はてな コメントを見る

6. Safariの目指すもの
CSS3の草案として、CSS Animation、Transform、TransitionなどはAppleの人たちが提出したり、CSS MasksやStyling ScrollbarsはMSIEでも実装したような機能を実装しているけれども、CSSに限って言えば、とにかく前衛的にCSSを拡張しようとしているように見える。Appleの人たちはSafariをどういうブラウザに仕立て上げようとしているのか、ウェブブラウザに何を見ているのか。展望のようなものが知りたいな、と。

Safariが目指すもの…
はっきり言ってしまうと、外部の人間にはわかりません。しかし、Appleのこれまでの行ってきたことから、ある程度は方向性が仄かに見えてきます。

それは『エコシステムの再構築』です。

ご存じの通り、AppleはOS戦争に於いてMicrosoftに敗れています。MacOS Xリリース以来、パッケージに開発ツールをバンドルするなどの努力を続けていますが、やはり開発者の量においては今だWindows勢のほうが優勢です。
小売におけるMacの人気なども伝え聞きますが、それでも累積においてはWindowsが圧倒的と言うことに異論がある人はいないでしょう。

さて、この状況をひっくり返すにはどうすればいいか…?

それは"ルールを変えてしまう"ことだと思います。
ではルールを変えるには…と言うことで出てきたのが"Webアプリケーション"であり、より具体的に言うとHTML5であり、CSS3なのだと思います。

Appleの歩みを振り返ると、2004年にMozilla,Opera等と共にWHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)結成することから始まり、2005年のMacOS X 10.3(Tiger)でDashboardのウィジット(Widget)にCanvas要素を実装、2009年にリリースしたiTunes 9ではiTunes Storeの表示にWebKitを使用する、等、一貫して『アプリケーションのWeb化』或いは『Webのアプリケーション化』を進めてきたのが分かります。
iPhoneにおいてFlashのサポートを拒否しているのはHTML5を阻害する要因になるから、ではないかと邪推しています。

さてさてその中でSafariが今後どのようになっていくか
おそらくですが、Appleはブラウザの機能を拡張する方向には行かないでは、と見ています。FirefoxやGoogle Chromeの様に拡張を実装したりするのではなく、Webで出来ることを拡張する方向に深化していくのでは、と予想します。
これはMozillaがブラウザのみを基盤としていたり、Webサービスから収益を得ているGoogleとは異なり、ハードウェアとソフトウェアを一体で提供するというAppleのビジネスモデルに由来する方向性と捉えています。